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奥美濃の山へ(その2)―「樹林の山旅」
樹林の山旅」は昭和15年に刊行されています。
この年は、大政翼賛会が発足し、皇紀2600年の祝典があり、京都大学山岳部が軍部から解散命令を受けている。
翌16年には第2次世界大戦が開戦。。

登山史としてみると、昭和ひと桁の、日本冬季初登攀ラッシュがピークを過ぎ、加藤文太郎の華々しい単独行の記録が11年の北鎌尾根で途絶える、まあそんな日本の冒険的登山の終わりの時期といえるでしょう。

当時著者森本次男氏は40歳くらい、アルピニズムに背を向け、当時は全く見向きもされなかった、奥美濃の山々に分け入り、300頁に及ぶこの本を独りで纏め上げたのです。
樹林の山旅彼は巻頭にこう記しています。
「奥美濃はかくれたる登山地帯である。この山地へ入る人達の幾人かを私は知ってゐるが、その記録の發表されたのをあまり見ない。新しき山への希望を持つ人達に、美しき樹林に満ちた、變化多き渓谷に恵まれた、自然のままの日本の山(所謂アルプスと稱するものの模型でない)を歩きたい人に、深い自然の中に融合した人間と自然との生活、山住人や傅説の香りの高き山地へ彷徨の足を進めたい人に、かうした意味で私は蕪筆をかへり見ず奥美濃紀行―樹林の山旅―を贈りたいと思ふ。」

そこには、5万分の1地図の測量すらいい加減な、人に見向きもされない奥美濃の山を、日本本来の山の姿としてありのままに見ようとする気概が明確に示されています。

千数百mの山ばかりだから、ピークハントの記録としては、ぱっとしようもないけれど、谷、樹林、源流、峠、廃道、木挽、群れる岩魚たちなど、山の姿を総体的にとらえた記録としては非常に魅力的な本になっています。
それは第2次世界大戦、そしてそれに続く戦後の高度経済成長で失われる直前の山の暮らしの最後の光芒ともいえ、その点でもこの本が奥美濃の登山者の聖典と言われるのでしょう。

今回、日に焼けた頁を読み進めながら、今は亡きTさんがこの本を愛した理由がいくらかでも分かった気がします。
そこには、生きること、日々を繰り返すことの苦味を知った者だけがしみじみ味わうことのできる山の滋味が詰まっているのですね。
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